花名  ヤマラッキョウ(山辣韮)            
分類 ユリ科 ネギ属 生活型 多年草 高さ 30〜60cm
分布 本州(福島以南)、四国、九州 植生帯 山地の草原 花期 9〜10月
特徴 葉は根出葉が3〜5個、円柱状線形で、長さ20〜50cm、幅2〜5mm、断面は鈍三角形。
花は花茎頂部に多数集まった球状の散形花序となり、花被片は内外6個あり、紅紫色〜淡紅色、
楕円形で円頭、長さ約6mmで平開しない。雄しべ雌しべともに花被片よりも突出し、
雄しべは6個、雌しべ1個で基部に3個の蜜腺があり、柱頭は普通3岐する。 
食用のラッキョウに似ているのでヤマラッキョウ。
揉むとニラのような匂いがする。
雌しべよりも雄しべの方が先に成熟することを、雄性先熟と言う。
これは自分の花粉で受粉してしまうことを避け、他の株の花粉で受粉するための植物の工夫。
ヤマラッキョウはさらに6本ある雄しべの成熟するタイミングをずらすことで、昆虫による花粉媒介のチャンスを増やしている
と考えられる。
初めて見たのは天狗塚。 高原のような稜線草地で出会うことが多い。

咲き始め
6本のうち3本の雄しべが
花びらより長く伸び、残りの
3本は花びらと同じぐらい。
雌しべはまだ未熟で短い。

雌しべも雄しべと同じぐらい
の長さにまで伸び、雌しべは
この時点でようやく成熟し、
受粉ができるようになる。